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海外に行くと、「宗教」について考えさせられる機会が増えます。
インドではヒンズー教の信仰が人々の生活に根づいているし、ヨーロッパではキリスト教の美しい教会が、中東では髪の毛を覆ったイスラム教徒の女性が目につきます。

日本には多くの神社やお寺がありますが、特定の宗教を信じている人は少ないですよね。お正月には神社へ初詣に行き、クリスマス(=イエス・キリストの誕生日)も盛大にお祝いして、お葬式は仏教式でやる…外国人からみたら、いろんな宗教がごちゃまぜ状態です。
なぜ日本人の多くは、特定の宗教を信仰していないのでしょうか?
「日本人に「宗教」は要らない
著者はネルケ無方さん。以前、「日本で出家したドイツ人僧侶の『ここがヘンだよ!日本の仏教』」と言う記事で紹介したドイツ出身のお坊さんです。
本著では、元キリスト教徒であり、現在は曹洞宗の住職として活動するネルケさんが、欧米人と日本人の宗教観の違いについて語っています。以下、本の中から特に印象に残った部分を紹介します。
「日本人に『宗教』は要らない」書評 目次
1、なぜ日本人には「宗教」がいらないのか
2、なぜドイツ人は空気を読まないのか
3、日本人(仏教徒)と欧米人(キリスト教徒)の死生観の違い
1、なぜ日本人には「宗教」がいらないのか
なぜ日本人は「宗教」に無関心なのか?それは、日本人が無意識に宗教的な生き方を実践しているからだと著者は語ります。

日々の生活を黙々とこなし、人とのつながりを大切にし、自然と共生する…そんな生き方こそ宗教の説く生き方であり、日本人は昔からそれを実践してきたといいます。
『宗教心に篤いと言われるキリスト教やイスラム教の国々では、宗教間の争いが絶えません。たとえ現在、紛争のない地域でも、治安が良くありません。社会秩序が乱れているからこそ、人々の宗教への関心が高いのでしょう。日本のような安定した社会、争いごとの少ない社会は、世界の中でも珍しいのです。
(中略)
日常生活の中に、仏教や神道の教えが根付いているからこそ、日本人は宗教に無関心だったのではないでしょうか。日本人は、宗教を考える必要がなかったのです。』
「宗教にこだわりすぎている人には、本当の宗教心がない」と著者は語ります。みんなが当たり前と思っていることは、わざわざ問題にする必要もないのです。宗教心が自分の中にあふれていれば、宗教を問題にする必要もありません。
『しかし、日本でも最近、「絆が大事」「思いやりの心を持とう」と言われるようになった。そう言われなければならない状況こそ、私は問題だと思う。日本人は本来、そういう言葉を口にする必要もなかったのではないだろうか。』
確かに「絆」や「思いやりの心」といった単語をよく耳にするようになりました。それだけ、「心のつながり」を身近に感じられていない人が増えたのかもしれません。著者はだからこそ日本の仏教界が、変わらなければならないと言います。
『日常生活の中で禅の教えを実践し、宗教心を持って暮らしているのが日本人であるが、その日常から抜け落ちたときが危ないのではないか。
日常から抜け落ちた人たちと苦悩をともにする。日本の仏教界がその役割を担うために動き出すときではないだろうか。』
葬式仏教に甘んじているのではなく、悩める人々を救う場を作ることこそ、今求められているお寺の役割なのかもしれません。
2、なぜドイツ人は空気を読まないのか
日本人は、空気を読むのが上手です。周りに合わせて、人とシンクロする性質があるからです。
でも、欧米にはこの「空気を読む」という概念がないそうです。
『ドイツ人には、そもそも空気を読むという概念はない。なぜ他人とシンクロしなければいけないのか。ドイツ人には、なかなか理解できない。』
子どもの頃から自分を主張しなさいと教わる欧米人と、自己主張しないようにと教わる日本人。「嫌われたくない」という思いが強い日本人は、リーダーシップを取るのも苦手です。
『日本の総理大臣は、みなの意見を聞き、みなが納得できるよう調整する。しかしそれは、欧米の感覚ではリーダーの役割ではない。「嫌われても自分の主張を通すのがリーダーの役割だ」と考えるのが欧米人だ。』
選挙でも、日本人は一匹狼より調整する人を好んで投票します。逆に欧米では、一匹狼的な人のほうが格好いいとされ、票が集まるそうです。
『しかし、欧米のように個が強すぎるのも問題だ。一匹狼を重んじ、他人はみな敵だとする西洋文化では、たくましくなければ生きていけない。他者を思いやる余裕がなくなり、争い事が多くなりがちである。』
確かに、欧米は自己主張しなきゃいけない社会なので、少し疲れます。だから海外から帰ってくると、思いやりがあって、優しい気配りのできる日本人に感動します。(まぁ、欧米のドライ&自由な雰囲気も嫌いじゃないですが…^^)
3、日本人(仏教徒)と欧米人(キリスト教徒)の死生観の違い

日本ではよく「亡くなったおじいちゃん、おばあちゃんが、天国からわたしたちを見守ってくれている」なんて言葉を聞きますが、キリスト教徒にはこういった感覚がないそうです。
自分を見ているのは神であるイエス・キリスト、あるいはマリアであってご先祖様ではない、というのが彼らの主張です。イエス・キリストを信じていれば、死後天国に行け、信じなければ地獄に落ちると信じているのです。
『キリスト教では、生まれてきた理由に関しては、あまり記述がない。いきなり生まれてきて、70〜80歳の人生があり、死ぬと天国か地獄へ行く。そして、世界の終末には最後の審判があり、なぜか全員復活する。そこで、永遠の命を得るか、地獄で苦しみ続けるかが決まる。』
日本ではお墓参りが習慣化され、大切にされていますが、ドイツ人はほとんどお墓参りに行かないそうです。
『通常、寿命を全うした歳で亡くなったとしたら、墓参りに行くことはほとんどない。「墓は故人の遺灰や遺体を埋めるところであって、その場所に特別な意味はない」とドイツ人は思ってしまう。もちろん、亡くなった親族のことは心の中で思い浮かべたりするが、わざわざ墓に行って何かをするという発想はない。』
そのため、墓地の場所を忘れてしまっている人も多いそうです。また、欧米では日本のように墓地を忌み嫌う感覚がありません。緑あふれる広大な墓地は、デートスポットの定番でもあるんだとか。墓地でデートなんて…日本ではちょっと考えられないですね!^^
最後に
その他にも、
・お寺と教会における集金システムの違い
・日本で「キリスト教」が広まらなかった本当の理由
・なぜ欧米人の父親は子どもの扱いが下手なのか?
など興味深い内容が多かったです。
また最後の方に出てくる、日常生活に役立つ「禅」の教えや、どうしたら幸せになれるのか、などのお話も面白いです。よかったら、ぜひご一読ください♪
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「日本人に「宗教」は要らない
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